西陣織の歴史(1) 始まり
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西陣織の歴史は、日本の絹織物の歴史でもあります。魏志倭人伝の記録からは、3世紀ごろの日本ではすでに養蚕・絹織物の制作が行われていたようですが、早ければ紀元前2世紀にはすでに日本に養蚕・絹織物の技術が伝わっていた可能性もあるようです。
京都における絹織物の歴史も5世紀頃まで遡る事ができます。灌漑・養蚕・機織りの技術を日本にもたらした渡来人の秦氏が定住して絹織物を作り始めたのが今の京都は太秦。現在の西陣からは南西へ自転車で30分ぐらいの距離にあり、秦氏由来の広隆寺が有名ですね。
広隆寺から歩いて10分くらいのところにある「蚕ノ社」という神社も秦氏由来の神社で、絹織物に関わる神社であったと言われています。訪れたら、ぜひ大変珍しい三鳥居もご覧下さい。鳥居が3つ組み合わされたような形で、昔は泉がわいていて池の中にあったようです。元糺(糺の森は現在の下鴨神社)とも呼ばれる緑に囲まれた、神秘的な場所です。
1600年も前に始められた産業がいまだに同じ都市で続いているって、世界に他にあるでしょうか?イタリアのムラノのガラスはかなり長いですが、おそらくそれよりはるかに長いです。
観光おすすめ(秦氏や絹織物に関連の深い場所):広隆寺、蚕ノ社、蛇塚古墳、松尾大社