1800口織ジャガード 西陣織のテクニック
1800口織ジャガード
1800口織ジャガードは西陣織が誇る、最新のジャガード織機です。通常使用されているジャガード織機は、400口・600口・900口・1200口のものがあります。巾約30cmを織る際に、経糸と緯糸が交差する数(口)が多ければ多いほど、細かな柄を織ることが可能になります。それを西陣織美術工芸あさぎでは、西陣織最高の織技術1800口交差にすることで、4倍以上の繊細さで従来難しかった曲線などの表現を可能にしました。
また、Rui Arts and Craftでタペストリーとしてご紹介している丸帯は通常の帯の2倍の幅で織られます。裏表に柄が織られているため、帯としてお仕立てすると全部で4~8通りの帯としてお結びいただけます。その豪華さから、丸帯は最も格式の高い帯といわれています。
西陣織の美の真髄を極めた技術はテクノロジーと結びつくことで、服飾や装飾品として、以前よりも多くの人々にこの美しさを届けられる可能性を秘めています。高度な印刷技術とは全く違った、最高級の絹糸を使った工芸品は、空間での立体感と存在感、圧倒的な本金箔・プラチナ箔の輝き、歴史と人の手が作り出した暖かな質感を持ち、デジタル化する社会の中で生きる私たちに、ほっとした空間を作り出してくれるものです。そして何より、見るものにその技術と美の探究精神への畏敬の念を抱かせるものと思います。
西陣織の技術の発展はぜひブログをご覧下さい。
技術と研ぎ澄まされた感性の集合体
西陣織の制作過程は大変細かく分業されており、それぞれに高度な技術と感性を持った専門家が必要とされます。その全工程はまさにオーケストラのようで、織屋が指揮者の役割を果たします。
西陣織の帯の柄は、元となる絵画からモチーフを借用し、そのサイズや配置を変えることによって、帯として最上級のものへとなるよう作り込まれています。また、色の再現も多くの糸が干渉しあうため、限られた数の色糸を組み合わせることによって、色を構想していかなければなりません。あえてオリジナルの画と違う色を使用することで、織物としての色のバランスを整える必要もあります。
これらはすべての過程の作業に影響しますので、まさに高度な色彩感覚と構図感覚のオーケストレーションです。