引箔 漆箔の表現の広がり
引箔は、和紙に漆と箔で描かれたデザインを髪の毛の細さに切って順番通り織り込むことでそのデザインをそのまま帯に移しましたが、現在、日常品を飾るデザインとして、またアートとしての可能性が広がっています。
漆:豊かな色彩と耐久性
漆は茶色みを帯びているため白を表現することはできませんが、それ以外の色は絵の具と同様に三原色を組み合わせることで自在に作り出せます。引箔は、繊維が一定方向に整えられた和紙に漆を塗ることで、布を超える強度を持ち、実用性と芸術性を兼ね備えた素材となります。身近な日用品にもオリジナルのデザインを施し、日々の生活に取り入れる楽しみ方も可能です。
箔:高貴な輝きと存在感
日本文化を長い歴史の中で美しく飾ってきた箔。黒漆を背景に本金箔が鮮やかに浮かび上がる蒔絵や、風神雷神図に代表される屏風全体を覆う本金箔など、その存在感はまさに日本の美意識を象徴しています。光の加減によって多彩な表情を見せる箔は、その奥深い魅力をさらに引き立てます。
多様な色合いや自由自在な形状の表現が可能で、粉状にしたり、大きくちぎったり、吹き付けたり、押したりとさまざまな技法が用いられます。また、漆を重ねた上から削り出して箔を浮かび上がらせる技法など、ニュアンスに富んだ表現を生み出すことができます。
引箔士松井勝のオリジナルの作品を、ぜひご覧ください。